シェルフではL字ブラケットが多いものの、
三角に曲木でループ状に形成されたブラケットを上にして
配置するとそれ自体がブックエンドの代わりとなり、
用途がデザインに溶け込んだアルテックらしい飾り棚です。
ブラケットを下にして仕様することも可能です。

アルテックの代表作の一つでアアルト自邸には
画像のように連結して使用されています。

アルテックの家具のデザインはそのほとんどが１９３０年代。
アルヴァ＝アアルトがパイミオ（地名）のサナトリウム（結核の療養所）の
デザインコンペで権利を獲得し、建築だけではなくそこに配置する
家具や什器のデザインも手がけたことからアルテック社はスタートしています。

金属製の脚やパーツは療養所には冷たい印象になってしまうことから
アアルト自身が日本の曲木にインスピレーションを得て作成した
「Lレッグ」「ラメラ曲木」は今でも全く形を変えず製造されています。
＊当時の肺結核患者は大自然の中で療養治療されていました。

アルテックの特徴は自然な曲線が成す
優しい風合いと使い心地にあります。

Lレッグのデザインは量産品でもよく見かけるようになりましたが、
アルテックの商品は無垢材を曲げたり、
無垢材から削り出した板を積層させて曲げているので、
合板製品では比較にならない耐久性を持っています。

今でも５０年以上前のビンテージが気を遣わずに使用できたり、
現行品と同じ価格で取引をされているのは
この高い耐久性を実現するためにアアルト自身がが
素材選定から製法開発までをデザインに組み込んでいる点にあります。



やりすぎてはいけない。
正当な理由がない限り何もすべきではない。
余分なものは全て時間とともに醜くなる。
アルヴァ・アアルト

デザインから半世紀以上たった今でも
形を変えず作り続けられている椅子たち。
アンティークも評価されている現行プロダクトは
他にあるものではないと思います。

飾り棚　１１２B
アルヴァ・アアルト
１９３６　デザイン

バーチ材
クリアラッカー仕様

W900×D270×H245mm

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