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2019/09/12 11:08

寝具の販売をしていると店頭で必ずといって良いほど聞かれる

「洗えますか?」というご質問。
これは私も同感です。毎日寝るものですし、やはり洗いたいです。
出来ることならば天日で干したいと言うのが
何となくですが清潔に保てる絶対条件な気がしますよね。



しかしカバーやシーツは洗えてもなかなか寝具を洗うとなると・・・
けっこうな労力を使う事になってしまいますから
ご自宅で布団乾燥機や専用の布団掃除機など使用したり。
あとはコインランドリーに持って行ったり。
といったことは多いのではないでしょうか。

そもそも洗いたいという事は汗やシミなどの表面的な汚れもありますが
ダニという得体の知れない生物の事を気にしている方が多いのだと思います。
「ダニ=不潔」という様なイメージはあっても
実際に詳しく説明できる方は少ないと思います。



そもそもダニにはどんな生き物なのでしょうか。
昆虫と思っていらっしゃる方が多いと思いますが、正確に言うとダニは昆虫ではなく
節足動物の仲間で大きく言うとクモやムカデなどの仲間になります。
大小サイズも様々ありますが屋内にいるものは0.2〜0.4mmほどの小型のダニです。
そのうち約80%はチリダニといわれる種類でヒョウヒダニの仲間が多く生息しています。
これは人や動物を刺すダニではなく、
ふとん・カーペット・畳などの中に深く潜り込んで生活している
人を刺さないダニが大半です。
家の中の床には1㎡に約30匹のダニがいると言われていますから
普段の生活の中には必ずいる生き物だと思っていただければ良いと思います。

なぜそんなところに住んでいるのか・・・訳があります。
特に好む場所と条件は
「高温多湿で暗くてエサのあるところ」

ダニの繁殖条件は
・20℃〜30℃
・湿度が55%以上
・皮脂・抜け毛・食べこぼしなどのエサがある場所
・隠れる場所がある

全てに該当する寝具の中はダニにとってまさに好環境なんです。



敷布団の中には死骸も含み200,000匹のダニが生息していると言われています。
特に夏場。6〜8月にかけてダニの繁殖期になります。
ダニのメスは1日1個の卵を産み、1匹は2〜3ヶ月生きますから最終的には1匹が100匹に増えます。
これがねずみ算式に増えていきますからあまり想像はしたくないものです。
まくらや毛布などにもいますが内部構造が簡単で薄いものになればなるほど
隠れる場所がないので生息数は減っていきます。
敷き布団以外にも暖かさが持続する電気毛布は生息数が多い様です。

そして生きているダニよりも怖いのが
「フン・死骸・抜け殻」などの副産物です。
これが乾燥して粉々になると寝具の表面をすり抜ける大きさになり、
アレルギーの原因であるハウスダストの一因となります。
喘息を持つ方の約80%はこのダニアレルギーの
因子を持っているというデータもあるようです。


↑ヤケヒョウヒダニの死骸と粉々になったアレルゲン

フンの話をすると1匹が1日約6個のフンをしますから
先ほどの数値に当てはめていくと・・・
考えたくもないほどの数のフンや死骸が寝具の中に存在することになります。
では逆にどうすれば寝具のダニは減るのでしょうか?
先ほどあげたダニにとっての「好条件」を「悪条件」に変えてやれば良いのです。

①気温10℃以下 or 40℃以上 
②乾燥した状態を維持
③ダニのエサを残さない
④隠れる場所を作らない

①ですが、はっきり言うとこの環境を寝室の中で継続して作り出すことは無理です。
なぜなら人が寝るものですから寝具の意味をなさなくなってしまいます。
しかも低温・高温で保管した場合にも一時活動は停止するものの
また好環境になるまで1ヶ月も動きを止めているだけの個体も発生し、
多くの個体が死滅しないという現象が起こります。

しかし使わない際に布団乾燥機や夏期の車内に放り込んでやることで
ある程度数を減少させられます。
ただ完璧とは言いませんし、死んだところで同じ量の死骸が出てしまいます。
布団乾燥機では50℃を2時間維持した場合、70%が死滅すると言われています。
その後クリーニングか、掃除機で吸い取る事が必要になります。
日干しでは50℃以上になりますが、ダニは日の当たらない方へ移動していきますので
これも死滅させると言う意味では効果は薄いものになります。



② これは簡単です。干せば乾きます。
ただ完全に乾かすのには時間がかかるし毎日干すのは大変・・・
しかも毎日人は寝具の上で200ccの汗をかいています。
水分を含みにくい通気性のいい敷き寝具をお使いいただく、
高機能な除湿シートを使用するなどで湿度コントロールが出来ます。

③はクリーニングです。しかも溶剤ではなく「水」で洗うことが重要です。
ドライクリーニングでは落ちない有機性の汚れ(ダニのエサ)を残してしまうと
またダニの発生を助けてしまうことになります。水洗いが重要です。

④では現在「ダニを入れない。」「薬剤で駆除・防御する。」大きくはこの2つの寝具があります。
樹脂やPVC加工などで入れないタイプが主流ですが、
ゴワゴワするなどの問題があり、気持ちの良いものが少ない現状です。
寝具としての機能は著しく落ちますので気をつけてください。
薬剤塗布・散布の場合、残留薬剤でのアレルギーが出てしまったり、
洗った際にも漂白剤・洗剤の中に含まれる成分で肌荒れしてしまうケースもあります。
どちらにせよ生き物にとって良いものではない成分で抑制しているものなので
何が使われていて抗菌・防臭・防ダニなのか確認する必要もあります。
海外製の安価な商品で「清潔」と書かれている場合は注意が必要です。
これもどこまで気にするのかという事になってしまいますから
あまり過敏になりすぎてしまうと現代的な生活が出来なくなってしまいます。
そもそもダニのために寝具を買い換えるというのはかなり負担になります。

そこでクリーニングや洗濯というメンテナンスになりますが
寝具専門店からの目線で言うとコインランドリーなどの
セルフケアは避けていただいた方が良いかと思います。

これはあるあるなのでお話ししておくと
「コインランドリーで布団洗えます」と書いてあるので洗えるんですよね?
とお聞きになる方が多いです。
洗えるものはポリエステルをはじめとする化繊を使用した寝具のみ
と思っていただければ間違いはないと思います。
ポリなどの化繊は水を吸いません。乾燥も楽です。
安価ですし、もし失敗したとしても大体お勉強代ほどで済みます。

特に羽毛布団やウール・カシミヤなど動物性原料を使用した寝具は
痛みやすいので寝具専門のクリーニングに出すことをお勧めします。
特に羽毛布団はへたりや保温能力の低下、吹き出しの原因になります。
厄介なのは「洗える羽毛布団」ですが、、これも長くなりますでいつか書き加えます。
使う洗剤に関しても中性洗剤のみで、石けん成分を含むアルカリ性洗剤で洗うと
羽毛のたんぱく質が溶け出し、羽毛はばさばさになって復元力を低下させます。

という視点などから長期間使う寝具の洗濯は専門業者に預けていただいた方が安心です。
洋服などと違い内部構造の特性で洗い方や処理方法が変わります。
特にウール・キャメルなどは水を吸うのでかなり重たくなり
そのままお家のベランダで乾燥させると重みで中綿が偏ったりします。



よく聞かれることのなのでついでにお答えすると
UVライトを搭載した掃除機も同じです。短時間の紫外線だけではダニは死にませんし
吸引力の強い掃除機の方が良いほどです。しかも表面にいる個体は一部です。
内部にいるダニは全く駆除できていないのが現実です。
やらないよりはいいという程です。

話は変わりますが、店主である私は2歳から小児喘息を発症し、程なくしてアトピーも併発。
今ほどいい薬はありませんでしたし、毎晩喘息で苦しんでいる私を見るのが辛かったのでしょう。
両親もあれがいいから、これがいいからと聞きつけては民間療法を端から端まで
受けさせてもらいましたが完治はしませんでした。
過去に2度の喘息の重症化で記憶を失うほどの発作が出ており
青年期ころには救急にお世話になる頻度が上がってしまいました。




現在も予防薬を投与しながらのコントロールを行わないといけないアレルギー持ちです。
子供の頃からみんなと同じように満足に体を動かすことは出来ませんでしたし、
大好きだったマラソン大会は毎年吸入器を持ちながら走り完走というエピソードも持っています。
こんな事を自慢したいのではなく・・・私の場合ですが原因が何なのかを知り
対策を立てることで、ある程度アレルギーのコントロールが効く状態であります。
そこは救われたのですが、あるときふと気づいた事があったのです。

子供の頃、田舎の祖父母の家に泊まりに行く時。
夜になって床につくと決まって発作が出たり、朝起きるとアトピーがひどくなったりしました。
洗濯などはしませんから1ヶ月に1、2度しか使用しない布団は
ずっと押し入れの中に閉まってあり、その間中ずっとダニが増え続けていたのだと思います。
後から思えばあの客用布団が悪かったのではと思うのですが
20代中盤から寝具に興味を持つ様になり、自分が何のアレルギーなのかを知ったときに
少しづつ私にとっていいものに換えています。
それに伴いひどい発作もアレルギーも自宅では出なくなりました。

アレルギーの方の中には羽毛布団は使えないと思っていらっしゃる方も多く
そういった寝具難民の方へも安心してお使いいただける
寝具やメンテナンス方法などもご紹介していこうと思います。

繁殖期である夏に増えたダニを本格的に使う冬までに
クリーニングやリフォームなどでメンテナンスする時期に入っています。
当店でも水洗いクリーニング・羽毛布団リフォーム・打ち直しなどの
サービスもございますので気になる方はお問い合わせ下さい。