世に言うサラリーマンという場所と離れてから
「独立しようと思ったことがすごい。」と言われることもあれば
反対に「将来をどの様に考えていますか?」とも聞かれたことがあります。
それは質問をしている方それぞれの尺度であって
これが最善だったのか、成功への道だったのかは
誰にも分からないし、そもそも最善や成功を求めるのであれば
サラリーマンのまま会社の方針を200%貫き通す人間であったのだと思います。
「経営者」と言って良いのかわかりませんが
一人で生計を立てている先輩方からは私が事業主に向いているから
どんどんやってみなさいと言っていただける事があり
その気になってしまって今では「本当にやったんだあいつ」と
どこかで笑われていることかもしれませんが
そういった先輩方に恵まれたことも大きかったと思います。
話が脱線していますが、なぜ「寝具だったの?」と聞かれることも多く、
寝具メーカーさんからも家業でもない寝具の世界になぜ飛び込んできたのか。
傾斜産業である事は間違いがない、どのメーカーもどの小売店も厳しい中で
なぜこの業界を選んだのか。よく聞かれます。
おそらく「好き」だったからです。
当人もはっきりとした感覚はありません。
寝具の世界でお給料をいただきながらバイヤーとして、
商品開発者として過ごした経験が大きいことは間違いありません。
その時に出来るだけ日本中の工場を回っていたり、
地方の布団屋さんを見に行ったり、大手量販店の寝具売り場で何時間も
お客さんの会話を盗み聞きしていたこともありました。
実を言うならばこれは今でもやっています・・・
こんな事が自然にできるなら一生勉強できるかもという感覚があったことと
車の運転とスキューバーダイビングの免許以外何の資格も持っていない私でも
これなら誰かの役に立てるだろうと感じていたことが大きかったのだと思います。
睡眠学部寝具学科という学部があれば今でもその大学を受けたいです。
「仕事=生活をすること」
「時間=お金と引き替えること」
「夢=空いている時間でやること」
何となくこんな事が普通になってきているのではないかと思ったりします。
これをお読みの方の中にも気分を害される方もあるかも知れませんがあえて書いてみます。
私もサラリーマンをしながら副業としてやるということも
選択肢としてはあったのかも知れません。
ただ気付いたときには仕事を辞める準備を始め、
豊田市内の物件を探し始めていました。
それは寝具のプロとしての道を模索し始めていたのだと思います。
人口が減っている中でもネットを介したビジネスがこれだけ成長し
アフィリエイトビジネスなるものが成り立つ世の中で
ネットビジネスに魅力を感じなかったのか。
まだ不確定ですが「他者愛」だと思っています。
大きく言えば「お節介」
この「お節介」がなくなった日本文化は面白くないのでは
と考える様になったのです。
私が完璧に出来ていることとは思いませんが、
「察しと思いやり」がまだまだローカルの中には存在します。
だから豊田を選んだと言っても良いのかも知れません。
今日ちょうどお若い方のご来店があり、なぜ名古屋に出さなかったのか
と聞かれたので私なりの答えはこれだと思っています。
名古屋にはないと言っているわけではなく、
豊田に住む私が名古屋に出て行くことで
出来る幅が少なくなってしまうのではと思ったのです。
先日あるメーカーの方に
「2代目、3代目ではない新規の寝具屋はおそらく日本でもここだけだ」
と言っていただけたので少しだけ自信にはなりました。
どうしても例が無いことをやってみたいという傾向にあるので
古くからこの業界にいらっしゃる方からは否定されることもあるかも知れませんね。
その筋の方にそもそも認知もされていなければ、この文章を読まれていないと思っていますから
これだけ好き勝手なことが書けます。
最後になりましたが、寝具は人間の生活になくてはならないもの。
それなのに私たちの世代がどこで買っていいかわからないから
専門店に行かない、行けない、もしくは行く必要がないと
思われているのではないかと感じています。
もし睡眠や寝室にリスク・問題を抱えてお悩みになっているのであれば
専門店でしか出来ないことが沢山あります。
うちに来て下さいと言うわけではないので、
お近くの専門店に行っていただければいいのですが
ぜひ選択肢の一つに入れていただきたいなと思うのです。
各専門店にはお節介が沢山いますし、
過去見てきた販売のプロは人を笑顔にするプロであったと思います。
そんな彼らに憧れて販売の世界に入り
一度出て、また戻ってきました。
これからも好きなことだけを追求し続けられればと思っています。