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2019/09/27 18:19

「布団屋をやっています」と言うと私の統計では約3割の方が

「どんな寝具がいいの?」
「〇〇ってどうなの?」



と聞かれます。
私は他社の事を公言できないので「良いと思いますよ」とお答えします。
そうすると大抵はがっかりした顔をされる事になります。

では初対面の飲食店を経営されている方に

「美味しい料理って何ですか?」
「あのお店の味ってどう?」

とは聞かないと思うのです。
それは何万円もするコースの話であれば別ですが
カジュアルなお店であれば、自ら情報を閉ざしてから
店構えだけで入店すると言う事もあるでしょう。
そう、ネックになるのは「価格」だと思うのです。
誰しも大枚を叩いて失敗するなど想定の中にも入れたくはありません。
昨今であればレビューを見る、手軽にSNSで情報を探す時代になっています。
私の言った面構えでだけで入店するなども、既に時代錯誤なのかもしれません。



寝具の場合ちょっと構えてしまうのは長期耐久消耗品であることと、
コース料理と同じく良いものはそれなりにお値段もするだろうという
予想が誰しもできてしまうからだと思います。

ここでようやくタイトルに移ります。
では出費を抑えながらでも寝環境を整えることは出来ないものでしょうか。

「出来ます!」

ただし!「寝心地を変えたい」
これはすみません・・・やはり買い替え、もしくは寝具をプラスすることになります。
柔らかいものを敷かれたり、クッション・座布団類で調整する。
これは寝具屋としてはやめて頂きたいと思うのですが、
お話を聞くと応急処置で調整しているという方が多く
悪いのは分かっているけども・・・っと言われる方がほとんどです。
このテーマもいつかお話ししますね。

では簡単にできる対処方法は何でしょうか。

何度も言っていますが湿度の適正化が必要になります。
熟睡安眠に欠かせないのがこの「湿気のコントロール」だからです。
*これからもうるさいくらい言います。



まずみなさんが寝ている寝具を思い出してください。

・ベッド・すのこなどの空間が空いているものの上に寝具(布団・マットレス)が敷かれているか。
・寝具(布団・マットレス)の下に除湿シートを使用しているか。

ポイントはこの2点です。
この2つが共に無く、寝具の裏にカビが発生している方は
すぐにでも環境を変えていただくことをお勧めします。
大した予算は要りません。すのこと除湿シートだけです。

これだけ使っていただければ寝具だけでなくベッドフレームの耐久性も上がりますし、
水蒸気を逃がすことで寝環境としてはより良いものになっていきます。
同じくダニの繁殖に対しても有効と言えますね。

大敵なのは「万年床」です。
綿・羊毛の布団であれば毎日上げ下げがなく
マットレスでいうと床に直置きの方。



マットレスもベッドフロアとの間にできれば少しの隙間を開けておくと良いです。
ちょっとしたしっかりしたものであれば何でも良いのですが、
ベッドの隙間を作り出して蒸気を逃がしてあげる工夫でかなり変わります。

毎日が無理だと言われればぜひ除湿シートを使ってください。
どこの寝具売り場にもありますが、知らない方が意外に多いです。
安いものは1000円代で手に入ります。
すでに寝具にカビの発生がある方、お家の中の通気性が悪い
お風呂と寝室・寝具が近いなどの方は上位ランクおすすめします。



お値段は5000円ほどしますが恩恵は大きいです。
当店では西川製の商品をご用意しています。
この除湿シート類はシリカゲルで除湿するタイプが多いのですが
B型シリカゲルというものを大容量に使用しているものが上位タイプです。
この大容量タイプはグレードによりますが500cc〜1000ccほどの水を吸うものが多いです。
天日干しする事で繰り返し使用する事ができます。
シリカゲル入り敷きパッドなどもありますが、
寝心地を考えるなら寝具の下に入れる方が得策だと思います。
*大容量タイプは量販店ではほとんど見かけません。

これは床下調湿剤としてホームセンターなどで売られている素材ですが、
(A型シリカゲルは寝具向きではありません。気になる方は調べてください)
ご自分で不織布の袋などに詰めてベッドの空間においておくというのも
良いと思いますが、なんせ手間ですし、余ったシリカゲルをどうするか・・
という問題も出てきますからおそらくシートを買う方が現実的ですね。



湿気と寝心地を両方変えたいと言われれば
ウールやキャメルのベッドパッドを現在の寝具に乗せていただくか、
すのこではなくウッドスプリング(エレメント)という見た目はすのこの様ですが
反発性を持たせたスノコ状の寝具を(直置きでも使えるものあります)
寝具の下に入れてしまうことで格段に寝環境は改善されます。
この辺りはそれぞれの方の状況にもよるのでどれがおすすめとは言えません。
ご興味あれば別途ご相談ください。



みなさんの興味のある話に戻って「〇〇ってどう?」と言われる
商品名の多くはTVCMや通販などでもお馴染みものが多いので
「芸能人や有名スポーツ選手などが使っている」が基本です。



よく考えるとわかるのですが、その企業は彼らの起用に何億という対価を支払っています。
そのお金はどこに消えてしまうのか。
消えません。しっかり商品にオンされています。
なぜかここを考える方は少ないのではと思っています。
大きい企業ほど商品の収支はしっかりしています。

消費者の我々はどちらかを選択することになります。
商品にお金をかけているモノを買うか、コマーシャルにお金をかけているモノを買うか
(世に言うネット商材など、どちらにもお金もかかっていない商品もあるでしょうね。)
どちらが世界中のマーケットで売れているかと言えば絶対に後者です。
この現実だけは変わりません。
本当はすごく良いものでも知られてなければ消えていくというのは摂理です。

私を含む寝具専門店がなぜこんな売れる商品を扱わないのか。
正しくは扱えないのかもしれませんが
「誰の為の商品なのか」これを真剣に考えているからだと思います。
寝具で本当に困っている方がTVの中の有名人と同じ悩みを持っているか。
それはおそらくそれぞれ違って然るべき。

ただしそこには嗜好という事もあるのだと思います。
「あのセレブが使っているのと同じもの!」ということと
「名もなきアルチザンが作り出した1点もの!」
これには大きな差がありますから、どういったものが
好きなのかという事も大きく関わってくるでしょう。

そう見ていくと実は当店で扱うビラベックのウールパッドなどは
個人的な意見ですが、実はかなり安いと思っています。
全く広告費はかかっていませんと言えばメーカーに失礼ですが・・・
そこまで考えて買い物をするのは実は気持ち悪いことかもしれません。
ただこれを扱う店舗はモノに重きをおく作り手の考えを
よく理解して扱うべきと思っています。

どちらが良いという訳ではないですし、ここまでどこの誰かわからない
私の文章を読んでいただいている時点であなたは少数派ということになりますよね 笑

この市場の中では「声の大きいもの」の方が優位に立ちます。
現在もこの声の大きさを競って縮小する市場を取り合っています。

私たちは「声の小さな、モノに重きをおく作り手」を守りながらも
彼らの生み出した商品を消費の波に乗せ、活動を継続させながらも
末端の消費者でもある我々にもその恩恵が削がれることなく届く
そんな距離感に立ち続ける事が重要と思っています。
その点でやはり店舗は必須と考えています。

全くの余談ですが、、
大手の布団屋に在籍していた時に初めて芸能人を起用しようという事になり、
アプローチの仕方もわからなかった私は初めに浮かんだ方に連絡を取ります。
真偽は定かでないものの毎日の睡眠時間がなんと45分だという方で
個人的に当時から好きだった武井壮さんでした。
まずはお話を聞いてみるためにも事務所に連絡を取ることにしました。
その日のうちにマネージャーさんからお電話があり、
「武井は特定の商品を使用して広告宣伝する契約を行っていないので
 ご連絡嬉しいのですが、今回のお話はお断りさせていただきます。」
と丁寧にお話がありました。
興味本位で単価のお話もすると隠すことなく教えていただけたので
勉強になりました!と言ってお電話切った覚えがあります。

またまたテーマからはズレてしまいましたが。。
市場には現在沢山の商品が流通しており、
中には原価が驚くほど安いものもあればそのまた逆も然りです。

私は眠り・寝具のプロとしてお答えできなければいけない立場にありますので
今後も情報収集する中で眠りに対する新しい商品・アプローチや
実はこんな簡単な方法もあります。などの情報発信は続けていこうと思います。
私自身も声小さきものの一人。
どこまで届くのかは分かりませんが、受け取っていただく方が
必ずどこかにいらっしゃると信じておりますし、
そこに物理的な距離感は存在しないものだと言うことを
証明していきたいと思っております。

本日も寝具の大先輩とのお話をしており、
寝具の本場、ヨーロッパへの工場見学のお誘いがあり
行けるものなら行ってみようと思っています。
知識を得て、行動にし、経験として蓄え、失敗をしながらでも
がむしゃらに前進していきたいと思っています。
いつかそんなご報告が出来るといいですね。
さぁ旅費をどうするか・・・考えるより行動あるのみです。