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2020/05/22 14:56

私が20代の頃、購入した写真集。
アアルトとの出会いはこの本からでした。
当時はアアルトという人物も知らず購入していました。



フィンランドを含む北欧ではサマーハウスという考えがあるようで、
自然の中で一夏を過ごし、人や都市から隔離された中で
のんびり生活をするという習慣があることを知りました。
個別のリゾートというものに近いのかもしれません。

アアルトとアイノの死後、妻となったエリッサと
共に過ごしたサマーハウスが表紙に配置されています。

私たちが当たり前に住んでいる都市生活では・・・

当然のように
蛇口をひねればきれいな水が出て、
食べたいものをなんでも食べることができ、
トイレに行きたければすぐ行けるし、
移動手段は体力を使わずともどこにでもあるし、
大概は時間通りにことが運ぶし、
更に言うなれば命の危険にさらされることなど
感覚的には絶対にある訳がないのです。

私は死ぬかもしれないという事を
アトラクションとして擬似体感したい訳ではありません・・・

これは私が勝手に思うことです。
当たり前を捨てながら都市の中に住み、
誰かの為に仕事や生活を楽しめるような
「感覚リセットボタン」が必要だと思っています。

私たちは対価を支払わずとも体感できる便利なものに
囲まれすぎていておそらく「当たり前」が分からなくなってしまうのです。

私はマックも食べますし、iPhoneも使いますし、昔から
どちらかというとテクノロジーと名のつく音楽を主に聞いています。
あれがダメ、これがダメと全てを否定して生きる訳ではなく、
都市の中で生きると決めた人間の一人です。

彼らも都市部に生きていた方ですから、同じ様に
感覚を研ぎ澄ます場所が必要だったのではないかと思うのです。



今回のコロナの一件ですぐに店舗を閉めてから
過去に買った本と新たに買った本を読み漁りました。
そうするとこの本がするっと出てきて
「こういうことだっ!!」と大きく勇気付けられたのです。
繋がっていくのはこのサマーハウスのような
居心地のいい空間を作りたいということでした。

見た目や立地は全く違いますが、
私にとってはすでに心地のいい空間であり、
自宅と隔離された空間でこの文章を書き
頭の中にあるアイデアをいつも整理しながら前に進んでします。

これを独り占めするのはもったいないなと考えました。
当然ながらこの場所でゆっくりしたいという方がいればですが・・・

休業を機会にフリースペースとして改装し、
まずは書棚のあるカフェ(ブックスペース)として活用する事を決めました。
この中で外界と切り離されて「リセットボタン」が押せる様な
環境を作る事をしたいのだと思います。

①・・・
仕事をしても、ぼーっとしても、本を読んでも。
リモート出勤の場として使っていただいても構わないブックスペース。
1時間単位の利用で1杯ドリンクが付くシステムにします。

そして2つめには

②・・・
この立地で良ければですが、独立から出店までの
スタートアップにしたいという方に向けての場所提供。
*物販や移動販売の方に向けてになると思います。

また教室やワークッショップなどにお使いいただいても構わない
何屋とも言い難い小さな生活共同体をやってみたいと思います。

使い方のルールや詳細はやってみないと分からないので
ご依頼に関しては別途お問い合わせください。
書棚は5月末には完成するのですが、書籍がどこまで揃うか
分からないのではっきりとしたオープン時期は明記できません。。

寝具屋としての営業は6月2日(火)より再開します。


選書は「ホホホ座浄土寺店」の山下さん(元ガケ書房オーナー)に。
コーヒー豆の提供は「KAFE工船」の瀬戸さんにお願いすることにしました。
共に京都の方になりましたが決して狙っていた訳ではないので
何か土地にご縁があるのかなと思うのですが、
自由な発想で店舗をやられている関西の方が肌が合うのかもしれません。

何年か先には「コロナに負けるな」ではなく
「ありがとうコロナ」と言える様に頑張ってみようと思います。

オープンの詳細はまたお伝えいたします。

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休業中に暖かいメッセージをいただいたり、
こうやって店を閉めている間にもお問い合わせや注文、
お電話やメールをいただき本当にありがとうございます。

コロナの影響で中止となった森道市場2020。
そこに一緒に参加するはずだった「16」のセットアップもほぼ完売となり、
たくさんの方にお買い上げいただけましたことをここにお礼申し上げます。
また来年も参加できるように新しいものを考えます。

今回の新型コロナウィルスによって良くも悪くも目の前で当たり前の日常が崩れ去り、
非日常の中でも適応していこうと
人間に新しい世界を創造する機会を
誰かが与えてくれたものだと信じて
この休業期間を過ごしておりました。

少しばかりですが皆さんの社会的ストレスを
緩和できる場所や道具を変わらず提供できればと思います。
少しづつですが変わっていく当店にもお付き合いいただけますと幸いです。


アトマダ寝具店 店主  峯

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