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2020/07/03 17:05

皆さんは「敷きパッド」というものを使っていますか?
お布団やマットレスの上に敷いて使うパッドになります。


この時期であれば接触冷感タイプのクール系の敷きパッド類を
お使いの方も多いかと思います。

当店ではパシーマパッドシーツやIWATA本麻敷きパッドがこれに該当します。



一般的には四方にゴムが付いており、近年は感覚を売りにした
商品がそれに当たると思っていただけるとわかりやすいと思います。

では・・・
ベッドパッドって何ですか?・・・

日本では同じように四方ゴムが付いており
見た目もそんなに変わらないと思います。

すごく簡単に言うと。。
シーツの上に来るものは敷きパッド。
シーツの下に入れるのはベッドパッド。

となります。
もっと噛み砕くと「人間の肌に当たるか当たらないか」
だと思っています。

当店ではビラベックのウールパッドや
IWATAのキャメルパッドがそれに当たります。

ただ量販店の全体売り上げで見ても圧倒的に敷きパッドが売れていて
ベッドパッドは大概どこでも売り場の隅の方に申し訳なさそうに佇んでおり、
これは一体何のために使うの?と言われても
店員さんでもその違いを説明できない方もいると思います。

面白いことに当店ではその売り上げは逆転しています。

パシーマと比べてもキャメル・ウールのベッドパッドの方が
納品頻度は圧倒的に多いです。


決してパシーマが商品として悪いわけではないです。

両方お使いという方もいらっしゃいますし、
お住いの環境によってお勧めするものも変わります。
しかしほとんどの納品ケースではベッドパットを一緒にご提案します。
それだけベッドパッドが大事な理由を少しづつご説明しますね。


まず使い方はこんな感じです。



↑マットレスに実際設置した際にはこんな感じですね。

そもそもの話をすると敷きパッドって日本にしかありません。
海外ではカバーの上に何かが存在するということはない
ということです。なぜか?

肌に当たるものはカバーであってそれ以外のものは
必要がないということだと思います。
今では若干中国にも波及していますが日本特有の文化だと思います。

お若い方には馴染みがないと思いますが、
昭和の時代で電話やリモコンにカバーをかけたりするのと
同じことだと思うのですが「異常にものを大事にする」
という思想が反映しているのではと考えます。



ご存知の通り日本は布団の文化です。
いつか書きましたが、実は明治に突入するまで綿布団は
家1軒買えるほどの超高級品であり、綿布団で寝られるのは
一定の特権階級の方かお殿様レベルの支配階級者のための寝具でした。

しかも大戦直後までは高級布団店というものしかなく
布団は藁(ワラ)や綿で家で作るものという概念が一般的でした。

また綿布団はご家庭では洗えません。
一般庶民が綿布団に寝られるようになってから
そのことも考えると当然汚したくありませんよね。
布団を守ろうとしてできたものなのではないかと思っています。

現在の様にたくさんの機能を持ったものではなく、
最初は汗取りパッドのような綿のパッド類が多かったのではと思います。
*敷きパッドについての資料は少ないのである程度推察になります。

ただ綿布団には打ち直しという機能が備わっており、
2、3年に一度、汚れようが潰れてしまおうが
もう一度中身を再利用して作り直すということができます。



先日のブログにも書きましたが、
合繊布団のように簡単に捨てられる安価な商品が出てきてしまい
自宅で作成したり職人が作る純粋な綿布団を使う方が減ったということでしょう。

メンテナンスをするというよりも買い直すものに変化し、
それに伴い敷きパッドも布団を守るものという概念にプラスし
温かさや冷たさ。つまり感覚に訴える商品成り代わりました。

それに寝心地を求めたマットレストッパー類
(トゥルースリーパーやエアウィーブなど)も加わり
何をどう使えばいいのか全くわからないものになってしまいました。

これが寝具の使い方の混乱を招いた理由だと思っています。
売れるものを作って大量に売ってしまったことから
天然素材からどんどんかけ離れてしまい
本来日本人が綿布団で安眠できた環境から
現代ではどんどん遠くに離れて行ってしまいます。

ではなぜ当店ではベッドパッドの方が売れているのか。
私が過去に敷きパッドを大量に作る張本人だったからです。

いつもは中国都市部の綺麗なオフィスで商談していましたが、
ある日メーカーから工場を見て欲しいと言われ車で3時間ほどかけて
田舎町の工場を見に行きました。工員の方達の待遇もさながら、、
敷きパッドを大量に作っている光景を見て私は独立を決めました。

「こんなものの上で熟睡できるわけがない」

っと今でも思っています。
お客様の睡眠のためと思っていたことが全く違ったことに気付くのです。

CMなども強烈なので今でも冷感寝具は売れ続けていますが、
寝具を買う時には組成表示をよく見てください。
特に大事なのは中綿です。

水分を吸わず、蓄熱してしまうポリエステルが入ることで
熟睡は少しづつ遠のいていると思っていただければいいです。

始めは冷たくとも、次第に汗をかきムレて蓄熱し、
寝苦しさを倍増させてしまう寝具だということです。
そういったことは全くCMでは流れませんし買ってから気付きます。
まさか熟睡できない理由がそこにあるとも普通は思いませんよね。
他にいくらいい寝具を入れても敷きパッドが全て台無しにする可能性もあります。

時に私は化繊を悪者の様に書きますが、
アウトドアやスポーツを楽しむ際などはポリエステルの服も着ますし、
それでしかできない機能というものもあるので
ポリエステルの製品も持っています。しかし・・・
アクティブな場面では使えますが、イナクティブな場面では
正直「化繊」は遠ざけておきたい存在です。

それを確認するために今年始めてヨーロッパに行きました。
なんとなくの答えは持っていましたが、やはり正解でした。



歴史の長いヨーロッパではベッドパッドとカバーが重要であり
初動の暖かい冷たいなどよりその先にある「人間が寝て快適かどうか」
という根本がユーザー感覚まで根付いています。



四方ゴムやカバーループがないと言うこともそういうことだと思います。
快適かどうか以外の便利さなどどうだっていい。
それよりも良質なマテリアル。
「いい素材をどう抑えるか」が彼らの第一課題なのです。



最近欧州では電磁波の問題などもあり、寝具の中に金属でできた
コイルマットレスや金属のベッドフレームから離れようというムーブメントがあります。
一部では日本の綿布団を床に敷いて使おうという方もいらっしゃる様です。

私なりに調べましたが、そこまで行くと延命という無限のテーマに
突入してしまうので今のところ感知しない様にしています。
電気毛布についても日本にしかありませんということだけお伝えしておきます。
不安を煽る商法もあると思いますが、それはちょっと違うと思っています。

ここまで
「どこで寝ても一緒!目を閉じて寝れさえすればいい。」
という方にはおそらく何のことやら分からない話しだと思いますが
寝る為の道具についての考え方は人それぞれだと思っているので
そもそもその違いにご興味のある方がいるのかわかりませんが
ベッドパッドの使い方は実際に寝具専門店に立っているとよく聞かれることです。

今更聞くに聞けないっていうものかもしれませんしね。
でも敷きパッド一つでこんなにお話ができてしまうことって
非常に有意義なことだと思うんです。

目の前に置かれたものに疑いの目をかけるかどうか。
ぞわっとした瞬間に自分が調べるかどうかって
なかなか難しいことだと思うので寝具についてはぜひ
フラットな目で確認していただけるといいかと思います。

一時私は他社の製品を買い漁ってそれで寝ていた時期もありました。
まくらに関しては10個くらいを同時に使っていましたし、
人間が当たり前に生きるという中の行動で「食べる」や「着る」と同じ様に
「寝る」に関わる寝具を知っている人が一般的にまだまだ少ないだけに
私は未知の領域が多く残る魅力があるものだと感じています。

私もまだまだ知らないことや商品を求めて
勉強を続けていこうと思います。
これからもデスクではなく現地で。




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