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2021/11/17 15:47

昨年、緊急事態宣言中の中である方と連絡をとっていました。
以前の勤めていた会社で取引のあったメーカーの営業の方で、
「少し年上の気さくなお兄さん」っという感じの方です。

当時の私と同じく元バイヤーとして勤務経験のある営業担当だったので
原料や製造方法についての造詣も深く、店舗陳列やパッケージまで含めて
あらゆる相談に仕事で答えてくれる。そんな方なんですが。
先日前職の同僚も含めて7、8年ぶりに食事をしようということになり、
久々の名古屋の街でおしゃれなお店を予約してもらって食事をしました。

その方はお互い年齢もあり見た目は変わっていますが、、
お店に入ってこられた瞬間、遠くからからでもすぐに分かりました。

あれこれ今までの経緯や、私はその際に独立までしている訳ですから
ざっとお互いのことを喋って食事をし始めると。開口一番に
「すごく失礼な聞き方ですが、どうやって生計を立てているんですか?」
っと聞かれました。

これは私が聞かれる質問の中でもナンバー3に入ってくるほどのよくある質問なのですが 笑
お客様や他業種の社長さんなどから聞かれることはあっても、
やはり同業種から見ても企業を辞めて小さな小売店を始めるというのは
やはり特異なことなんだな、、、っと再認識したのでした。

どう答えたかという内容についてはその場の流れもあって
よく覚えていませんが、あの有名な言葉「Because it's there.」
っと答えるしかないのです。

つまり、それに理由はないのです。
「やりたいからやる」これが人間の本質だと思います。

私はこの仕事を始めてからお付き合いするメーカーの方や
心の広いお客様に恵まれてココロの窮屈な思いをした思いがありません。
昔、社内の商品会議やシーズンの方針説明などでも
現在自業で取り組む「天然素材」というテーマを何度もチャレンジしました。
社内の上司や同僚からは「売れないからやめておけ」
「そんなものに時間はかけられない」など。
辛辣なご意見をいただくことが多く、スポットで商品は作れても
社をあげてイメージを含めたブランディングということに
取り組ませてもらえることはありませんでした。
現在行っている商品展開がその時の反動があってやっている。
というわけでもないのですが、これが私の中で反骨精神ではない
実に自然発生に近いビジネスだと思っています。

確かに経営的にしんどい時もありますし、安定的に入ってくる収入はありません。
たくさんのサンプルを作ったり、国内外を含めた遠くの工場や生産地まで出張に出たり
遠方のお客様のところまで直接納品にも行きます。
これを「すごいですね。」っと言われることもありますが、自身は
特にこのコロナになってからはそれも感じないほどに鈍感になってきています。

ただ他事業では従業員もいますし、そんなことも言っていられない時もあります。
会社としてどう利益と向き合うかという瞬間はありますが、
これに囚われ過ぎても心を亡くした仕事になってしまいます。
私は常々「心のない仕事」を受け取る消費者の方にとっては
何も残ることがないと思っています。
残ることがないということはモノも思想も次世代に継承しないということになります。

分かりやすい話をすると、流行やトレンドに合ったビジネスの場合。
そうですね、、言いにくいのですが、、
あの乱立した「タピオカ屋」は一体どうしているのか?
どこに行ってしまったのか?これについて考えること自体、
不毛なのかもしれませんが。。
元々このブームの前にからタピオカに人生と情熱を燃やして
やっていた方がいらっしゃったとすればこれは由々しき自体です。

「儲かるから」という理由だけで畑を荒らしに来る方が
どこの業種にもいらっしゃると思いますし、
その方々を批判するわけではありませんが、なんでやっているの?と聞かれた時に、
そんなにストレートに言う方は少ないと思いますが 笑「儲かるからです。」っと
答えられてしまう方の多くは「心のない仕事」をされる方が多かった。
という私の中の経験の統計から反面教師になっているのだと思います。

これをポージングでしょ?とか、理想論だとか、
全く理解できないと言われる事もありますが、
私自身たくさんのお金を稼ぐ事に興味がないのだと思います。
今でもその結果として利益の大半を商品や企画につぎ込み
月末に妻を怒らせている事は本当に申し訳なく思います。

しかし、これは山を登るように「命を賭けている」ということだと思うのです。
この与えられた命をどのように使おうが本来は自由なのですが、
命を賭けて仕事をされていらっしゃる方の作るものは
なんとも形容しがたい「美しさ」を持っている気がします。
それは汚い見た目の街中華のお店などにも宿ることなので
具現化した見た目の話をしている訳ではありません。
登山家と街中華の店主は同じ心持ちということになりますよね。

また、幸せの価値観も人それぞれですので「儲かるから」という
ビジネスで鞍替えを繰り返す企業を悪だとも言えません。
たくさんの人を雇用できる幸せの追求もありますし、
本音と建前の中で見事なバランスをとっている大企業も存在しますから
現段階で資本主義社会とってはこういった正義が必要ですし、
私のような社会不適合者が増えすぎてもお役所や国は困る訳です 笑

ただ「全てはバランス」と考えています。
その美しさを不要とすることもできます。
ただ私は、憧れているその「美しい仕事」をしてくれる方々の
直視できる位置に存在したかったり、すでに亡くなっている方でも
ココロの側にすぐあるようなそんな見えない繋がりを感じていたいのです。
べたべたしたいという表現とは少し違うのですが、
物質的な距離というよりはやはりココロの距離だと思います。

矛盾しているかのように感じますが、日本人が好きなこの「ストレス」という
社会的アレルギーは、ココロの距離の置き方とコミュニケーションに関係していると思っています。
この文面も一方的ですが、少しでもコミュニケーションができればと思って
恥やプライドを脱ぎ捨てて書き続けています。雨風に晒される場所に立つことで
私も成長し、共に相互作用する関係の形成が目的です。
また、店舗で表現することの中ではこの現代にとって
社会的に意義のあることと思い、「ストレスを感じさせない・軽減する」
目的の寝具を扱うことも私に与えられた任務の一つなのだと思いながら日々考えながら
前に進まさせていただいているイメージです。

もう一つ大切なものは時間の経過。
「持続」というテーマだと思っています。
これも大変なテーマなのですが、、
瞬発的なビジネスを多数繰り返すのか。一つのものを持続させるのか。
どちらの能力がより優れているかの比較をしたい訳ではないのですが
歴史はその中で継承されていきますし、私も確実でその中に生きています。
知り合いに「人生は実験だ」と言い切った方もいらっしゃいますが、
私も与えてもらった限られた時間の中でこれを持続させたいと思っています。

大前提、その仕事が好きで「好きに理由はない」という方と一緒に仕事ができること。
完成したモノがなるべく「ココロの美しさ」を持っていること。
これが他者とココロの距離を近くに置いて仕事をする条件です。
ポジティブな気持ちを継続し、それぞれの日々の仕事や生活に繋がっていくと信じています。

こんなことを先日の食事会の後、その他のメンバーと別れた後に
戦友でもあるその営業の方とコンビニで1杯のコーヒーを買い
ベンチに座ってこんなお話をしていました。

起業からの生存率は1年で70%、3年で50%、5年で40%。
そして10年では25%になります。
私は出店から現在2年3ヶ月。常にこの確率との競争をしています。
理想はありますが、数字というのは時に残酷です。
特に飲食や小売ではコロナショック影響下でもっと多くなるのでは思います。

私は若い時に迷って動けなくなって、誰にも相談ができず
こんな性格を恨んだり、自戒する事で時をやり過ごしてきました。
お若い方にお伝えしたいのですが、「やりたい事をやる」というのがみんな理想です。
また、これには自分の理想を応援してくれて
協力してくれる仲間や家族の協力が必要になります。
やりたいことができる環境がなければまず無理ですし、
それを支えてくれるサポーターも必要になります。

この環境造りがセルフプロデュースだと言っても過言ではないかもしれません。
私が確実にできているわけではないですが、
まずこの環境を作ることができているか、いつも自問自答しています。
命を燃やすその前に。ふと足元を見る事も重要なのだと感じました。



1時間ほどのコーヒータイムに沢山の意味がありました。
環境は違えど、それぞれに託された使命を全うしましょう。
またご飯行きましょうね。それまでにまた新しいネタ仕入れておきます 笑


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