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2022/03/10 07:16

当店は開店から大きな広告宣伝をしなかった事もあり、当たり前ですが

オープン当初は大型寝具の販売も少なく、比較的安価な羽毛布団のクリーニングや
リフォームなどでご依頼をいただく事が多かったのですが、開店より初めて
少しこだわったご依頼をいただいたのが今回のご依頼者様でした。



お持ちいただいたのはあるアイシン製の羽毛布団で、
羽毛布団の打ち直しのご依頼をお受けしました。

アイシン??っと聞いて疑問に思う方も多いと思いますが、
聞くところによるとおそらくトヨタ関連の工場寮などに寝具を入れる布団屋なども
80〜90年代にかけては多かったのだと予想しています。
それを主業にしていたレンタル寝具業界もあったのだと聞いています。
おそらくそこから派生してできたのがアイシンの寝具で。
愛知県内の搬入ではトヨタ自動車のお膝元ということもあり、お客様のお宅に行くと
アイシン精機さんの寝具が納入されているという事が珍しくありません。

しかしその多くは「マットレス」です。
ファインレボという特殊樹脂素材で一時期CMなどもうたれていましたが、
一昨年でしたか、寝具開発からは撤退されてしまいました。
マットレスは素材からアイシン精機さんのオリジナル商品ですが、
お持ち込み頂いたのは羽毛布団。これを見た時に「なるほど」と思いました。

なぜならアイシンさんの羽毛布団はオリジナルではなく、
当店で扱いもある京都のイワタ布団の作成になります。
それは布団生地を触った時に分かりました。
綿100%でこんなにハリ感のある生地を使うのは日本でただ1社です。
特に羽毛の加工技術に優れていて、生地も元々ファイバープルーフがなされていません。
そして生地に樹脂加工のない純粋な天然素材のみを使用しています。

前段は長くなりましたが、そんな羽毛布団をお使いのお客様ですから
私もその当時できるだけの生地を手配して使い心地が変わらないものを
ご用意させていただきました。QL(クイーンロング)から2枚の
SL(シングルロング)をお作りした例は特殊でしたので、
それからクリーニングをいただいた際も、記憶に鮮明でした。
今回の寝具ご依頼にあたっても特に知名度の薄い商品ばかりを並べていますから
具体的なご提案にあたっても安心してお引き受けする事ができました。

お客様からのオーダーはご新築にあたっての新規寝具を
一揃えという事でしたのでをご家族分でご用意する運びとなりました。

まず確認していくと旦那様は大柄な体格の方ですがSS(セミシングル)サイズをお使いとのこと。
下記はお客様にご説明する際に作成した表になりますが、Sサイズの下にW80×L195cmという
サイズが存在します。海外では都市部の狭小アパートやお子様用や来客用に使われているサイズになります。
当店ではSSを2つ並べてQサイズとしてご提案することはあります。



大人では多くは暫定的な使用を目的とするものでおそらく寝返りも打てない環境ではないかと想像しました。

サイズを選定していく中でS(シングル)+S(シングル)にするか、
S(シングル)+SD(セミダブル)にするかでお迷いになった結果、
後者のS+SDでW220cm×L195cmの大きさになります。
近年の新築の間取りでは寝室が広く設計される傾向があり、
この大きさを入れられるのであればお勧めのセットになります。

またお子様が大きくなった際、また、独立された際にでも
お部屋から動かして別にしてお使いいただくこともできます。
ご家族の構成や環境、将来に対してのお考えによってもかなり変わりますので
サイズの選定については各条件のお聞き取りが必須となります。

セットで導入する際には隙間が開かないベッドフレームをご用意します。
ですので隙間を塞ぐためのパッドなどもご用意していただくことも必要ありません。

サイズが決まれば次はフレームとマットレスです。

まず、毎日熟睡が取れない環境では疲れや倦怠感が負債として残ってしまうだけではなく、
覚醒している時間(起きている時間)の脳や内臓や筋肉の働きにまで関わってしまいます。

1、寝返りができる環境を作り出すこと
2、重力と湿気から解放される素材であること

その他も挙げればきりはありませんが、まずこの2つの条件を満たして上げることが急務です。
ベッドフレームの素材は無垢材をご採用いただきました。
湿気をしっかりと吸う桐材を使用した呼吸する素材となります。


通常、木材にはウレタン塗装がかかっていることが多いのですが、
傷や水濡れを防ぐためにしっかりと何重にも塗り重ねられることが一般的です。
しかしこのベッドフレームは必要最低限の薄塗りで木材の温かみを感じることができます。
人から出る汗や水蒸気などの水分もコントロールすることができ、カビやダニ対策に繋がります。


筋肉の質感に近い100%天然素材のマットレス、ラテックスマットレスを載せて
その上には当店でおなじみのビラベックのウールパッド。
上質なヨーロッパウールが無加工でしっかり詰まっています。
日本では薬剤加工がかけられたウールが主流なので冬しか使えない素材だと
思っていらっしゃる方が大半ですが、これは一年中使っていただくことができます。


湿気をしっかりとコントロールするために表面の素材は通気性の高いコットンニット。
その中にロイマインドウールと呼ばれる部位指定したウールが入ります。
これをご体感いただくと今までの寝具はなんだったのか、、、っと言われる方が多いです。
特に店主が惚れ込んでドイツの工場まで仕入れに行っている商品です。


このころはまだマスクがない時代。もう違和感がありますね、、、笑
あまり写真に収まることが苦手なもので。。
黄色いニットのお知り合いの社長は堂々とされていますが、、
やはり慣れが必要ですね。



その上には同じくドイツ製のESTELLA社のニットカバー。
最近このカバーの問い合わせも多く、売っている百貨店などが減っているので
ここ最近は関東圏からお問い合わせが多くなっています。
今春リニューアルした素材で30cm厚までのマットレスに対応します。

ウールパッドとニットカバーのセットが非常に気持ちの良いもので、
当店では欠かせない寝具になっています。



セットするともう出来上がり。
今回はご夫婦お二人のまくらもオーダーにて現地でお作りしました。

最後に築150年という民家をリフォームされたお宅を見せていただくことができました。
お宅の内部のお写真は控えますが、太くしっかりした梁や柱がそのまま残っています。
天井の高い平屋で、珪藻土の壁にモリスのファブリックを使用したカーテンや、
ルイスポールセンの照明など。細部にお考えがでたご自宅になっていて
当店にご依頼があった理由がその際にしっかり分かった内容でした。

ご依頼ありがとうございました。


アイシンさんの寝具で思い出したのですが、以前働いていた中学校受験塾の職員をしていた際に、
同じく県内にある海陽学園の寮の見学をお願いして見させていただく機会がありました。


海陽学園は日本一高い学費で有名な中高一貫校ですが、トヨタ自動車並びに地元の企業の
資金を元に運営されており、中部地区の経済界にリーダーを送り出す目的で創立された全寮制の学校です。
イギリスのイートン校をモデルにされているそうですね。
その寮の寝具もしっかりチェックしましたがアイシン製のマットレスが納入されていました。
ご家庭での導入率というのも他地域に比べると多い傾向にあるのだと思います。

もしこのブログをお読みでアイシン製の羽毛布団をお持ちの方で
羽毛布団リフォームをされる方はご連絡ください。
一般的な布団リフォームでは全く使い心地が変わってしまいます。
イワタさんのリフォームもできますし、その他のオリジナル生地を手配する事もできます。



睡眠や寝具についてご相談などもお気軽にご相談ください。
お電話やメールいただければご予約お受けさせていただきます。
お見積もりやご提案なども無料にてご案内いたします。
引き続きよろしくお願いいたします。


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