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2022/03/22 15:57

この状況に対して思ことが個々にあると思います。

この文を読んだ方からは「お前にごときに何ができる?」っと思われかもしれません。
私は布団屋。残念ながら何も出来ません。しかしこの職を通して伝えたい事があります。
おそらく思想的な事を書くと寝具のご依頼が減ってしまうかもしれません。
その覚悟を持って書いています。

伝染病の拡大と戦争の拡大のタイミングはいつも同じくしてやって来る様です。
小さな私ができることは今起こっている出来事を我々の後世に残すことだと思い、
デジタルの世界の中に文章を書いています。



私たちは戦争の悲惨さを知りません。
いくら調べても全てを知り得ないでしょうし、経験のないものに想像はできません。
歴史やデータを学ぶことである程度の予想や推測で疑似体験はできると思っています。

私たちの祖父祖母(昭和初期生まれ)であれば戦争を体験している世代ですが
残念ながら大半は既にお亡くなりになっている時代に入っています。

アウシュビッツ強制収容所に行った際もホロコーストのことを
知っている現地の若者が減っているという事実を知りました。
ホロコーストに対しての教育が整っているヨーロッパでも
あるアンケートでは0.5%の方がホロコーストは実際に無かったと考え、
約8%の方が誇張されていると考えているそうです。



第一次大戦全体の直接的な戦死者は1600万人です。
ドイツが行ったホロコーストでは600万人のユダヤ人が虐殺されました。
しかも12年間のナチス政治の内、その多くは終期の4年の間に行われています。
これは異常な数値だと思いませんか?多くは知られていませんが、
600万人の中にはドイツ内で捕まった政治犯(反ナチス運動者)やレジスタンス。
同性愛者やソ連、フランスの捕虜。また、ロマ族のような少数民族や異教徒も含まれます。



*幼少期、世界不思議発見で見たこの場所に行かなければと強く思っていました。


最初から述べておくと戦中、日本の行ったアジア侵略の歴史には
エスノセントリズムな排他主義があり、ファシズムの息づいたイタリア、
ナチスドイツと結びついた経緯もあることから肯定できる理由はないと思っています。
しかし伝統的な文化や太古から引き継がれている自然思想には
やはりこの島国にしかないものがあり、それを誇りに思っていますし
古事記や出雲神話などにも興味はありますがこれはまた別のところで。



私の祖父祖母の内、母方の祖父が存命ですが4人全員が被爆者で戦争体験者です。
中でも小さい頃から父方の祖父と話したり一緒に農作業をすることが好きで、
よく戦争のことを聞いていたので今でもその祖父の戦争経験が自らに染み込んでいるのだと思います。

もう20年程に祖父は癌で亡くなっていますが、私の知る限り
自身の性格もこの祖父に由来しているように感じています。

私の姓でもある父方の一族は瀬戸内海の島に代々住んでいます。
今はみんな島を出てしまったので直系の家族でその家に住んでいる人はいません。
仏壇のある部屋の欄間に沿って代々飾られている遺影で遡ることができるのは
高祖父母までです。約100〜80年前まで生きていた方々だと思います。
その先祖のエピソードも祖父から聞いていましたので身近に感じることが多かったのです。



彼らの暮らしは貧しかったと聞いています。電気も水道もなく。
日の出から日の入りまで農業を営み、これで生計を立てていた様です。
今でも彼らが開墾した山の斜面に石垣の段々畑と水田跡が残っています。
現在では誰も農業を行っていないため出荷できるような作物は取れませんが、
父が今でも手入れをして先祖から伝わるミカンの木などを引き継いでいます。

今度島に帰ることがあれば遡れるところまで先祖を遡ってみたいのですが
一般人であれば200年ほどが限界だと言われています。
2010年より現在は法律が変わって戸籍は80年→150年残すように
改変されていますし、全てはデジタル化していくのでゆくゆくはもう少し
遡れるようになるかもしれませんね。

私から4代前まででは約100年。その倍の8代前まででは約200年となります。
そして第二次世界大戦という大きな戦争が終わり、今年で77年になります。
終戦当時の人口は約7000万人でした。そして現代まで倍増して急成長しました。
そして経済と人口の加速は止まり、これからは下降していくことは皆さんご存知の事。
しかし異常だった数値が全て元通りになるだけのことです。



世界大戦終戦後も人間は戦争を繰り返し、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争などの
代理戦争や、冷戦期のキューバ危機のような直接的な戦争危機に直面してきましたが
それを見ても今回のロシアのウクライナ侵攻は異例だと考えています。

第三次世界大戦のトリガーにもなり得る事柄だと思っています。しかし、
実際にはここまで戦力が近代化した世の中なので安易に核戦争に突入するとは思えません。
万が一、ロシアがナチスドイツのような強硬な手段に出た場合のみ
世界の均衡が崩れ去り、平和だったこの日常も無くなり得ると思っています。
日本もその例外ではなく、その後は中国の影響も濃く出てくる事と思います。

上記の表にも記入してありますが、「いい国作ろう鎌倉幕府」という語呂合わせ。
皆さんも歴史授業で習ったかもしれません。(実際には1185年というのが有力)
突然話は変わりますが、みなさんが歴史で習った「幕府」という言葉。
英語にするとShogunate.  「将軍 Shogun」と「-ate.(統治・運営・管理)」を合わせた造語で、
徳川幕府とは徳川家が統治するという意味ですが、徳川家は武家ですから今で言う軍隊にあたります。
私はその事実を知った際にゾッとしたのですが、鎌倉時代から敗戦まで。
大政奉還後の混乱によって多少抜けた時期はあったと推察しますが、
およそ750年に渡って日本は軍国政権がずっと続いていたことになります。
明治・昭和天皇も日本軍の大元帥という立場にあったということも考えても
半世紀以上に渡り、世界の歴史と違わず国内外でずっと戦争をしてきたという事実があります。
これを忘れてはいけません。

祖父は10代の頃、江田島の海軍兵学校を受験し、この学校に入学しています。
死後このことを知り、勤勉で運動も絵画も成績の良かったと聞いていますが、
若かった祖父は国のために海軍将校になる道を選んだのだと思います。


当時はそういった教育をされていたのでそれが普通だったのだと想像しますが、
兵学校では「大東亜共有圏建設のため神国日本がアジアを救う」という至上命題をすり込まれています。
これこそ今のロシアにも言えることで、自国の民族優位性を語り出す国は
強力な主導者と情報統制や教育によって国民の思想が捻じ曲げられていきます。

これは過去の日本もそうですし、ナチスドイツ下では自身の名を有した
ヒトラーユーゲントという少年下部組織まで構成されています。
私はこのシステムが繰り返し歴史の中で出てくる度に私の中にも
否定しようともその様な人間の不安定な狂気性があり、
いつその牙を他人に向けるのか分からないなんともいえない恐怖感があります。

「みんながやっているから。」「みんなそうやってやっているんだから。」

そう諭されたとしても唆されたとしても。
人を傷つけることは絶対にないと信じていますが、
いざ戦争状態になって自分がどんな行動に出るか、
考えるととても怖いのです。

それを理解するために疑似体験を繰り返し、
歴史を理解して現代を生き抜いていかなくてはいけません。
また、こういった考えを子孫にも伝えなくてはいけません。

今回のウクライナ侵攻。とても他人事とは思えません。
難民の方が多数日本に来れば別ですが、
恐らく世論は他人事で終わってしまう様な気がします。

人間の歴史は戦いの歴史でもあります。
しかし100年経てばその経験も半分になり、
200年経てば全く忘れ去られてしまうのです。
今は平安な時代が続いていますが、もうすぐ戦後80年。
人はこの記憶と平安をいつまで保つことができるでしょうか。


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