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2022/11/04 08:00

このご依頼にはある友人をご紹介しなくてはいけません。

約10年前、私が企業に属し寝具のバイヤーとして勤めていた際に
彼は寝具の西川の営業として担当になり、色んな仕事をこなしていました。



私が31歳の時にまだ29歳だったと記憶していますが、
同世代の彼と話していると、すぐに彼の仕事ぶりに驚くことになりました。
自分の仕事をこなすだけでなく、誰から言われるでもなく店舗の困っている事を聞き取り
商品の説明を進んで行い、自分の資料で1店舗づつ勉強会を行っていました。
余談ですが、パートのおばちゃんたちからも大人気でした。

私は商品開発を行っていましたが、ある頃から新店舗の立ち上げ責任者を兼務し、
全国津々浦々色んな土地でその彼とタッグを組んで仕事をこなす事になったのです。
その時にビジネスホテルを地方から地方へ年間150日以上泊まり歩いていました。

そんな彼と地方で決まっていつも行っていたことがあります。
決まって私が先に現地に入って、散歩してから一緒にご飯を食べるお店を決めておきます。
できればカウンターだけのお店などがベストです。

夜になると決めたお店に入り、瞬時にお店の人と仲良くなって
常連さんらしき方が来る度にコクっと頭を下げて、いかに常連っぽく振る舞うか。
日本中でこれを繰り返します。もしかするとこの経験が今私のやっている現地配送に繋がっているかもしれません。
とにかく二人で色んな土地で同じ仕事をし、食事に行くという事を繰り返していました。



今でも彼を尊敬していますし、彼もその様に思ってくれている仲だと思っています。
私は次のステップに。そしてしばらくすると彼も西川を辞めて新しいチャレンジに挑んでいます。
店舗を開けた際にもお店まで来てくれて、現状を語り合いました。

そんな彼から久しぶりに連絡があり、「友人が寝具を探している。紹介してもいいか?」
との事でした。

私はいつもこのご紹介というのをとてもありがたい事なのですが、
一方では少し不安に思うこともあって。なぜかと言うと
当店で扱う商品群が一般的なものではないということと、
素材や組成についてご興味のない方にとっては時間のお手間をいただくだけになってしまうからです。

ただ、寝具も私の性質も共に知り尽くした彼が紹介したいという人物。
もう一つは彼が私とその友人を組み合わせることで新たな化学反応を見たいのだと
すぐに察知することが出来ました。

彼もそのご友人も大阪の方でだったので、そうでないと
私にわざわざ距離感のデメリットを乗り越えてでも紹介したいなど言わないはずだと感じたのです。

案の定、ご依頼者にZoomで初めてお会いした際に感じたことは
多分この人は万物の本質を探求している方だとすぐに察知しました。
私の話す言葉をご自身の分かる例に当てはめて私にそれで合っているかどうかを確かめてくれます。

最初に友人から紹介を受けた際に、学生の時にバイトしていた飲食店の同僚で
奥様もそのバイト仲間だという事を聞いていました。
その時からバイトであるのにも関わらず、一人で料理を探求していた変な人。
という事は何となく聞いていました。

これは当店の寝具もうまく理解してもらえてその方の味付けで
上手いこと調理してもらえそうだと判断して全てお任せいただくこととなりました。



そして搬入当日、相当楽しみにしていただけていた様で
2人のお子様と奥様も皆さんで出迎えていただき、ベッドフレームは
上のお子さんに組み立てを手伝ってもらいました。



サイズはSDを2台配列する形で寝室をいっぱいに使っても良いとのことでしたので
寝るだけの部屋ということでお部屋のサイズに対して最大のもので選びました。
お子さん2人が少し大きくなっても一緒に寝ていただけるサイズになります。
お家のお部屋数や寝室の大きさ、動線によって導入サイズは変わりますので
寝具選定のファーストステップはサイズを決めるということでしょう。



今回は予算も決まっておりましたので既製品のフレームを導入しました。
中国生産となりますが、関家具という日本の大手メーカーが監修しているものです。
ヘッドレスフレームというのも国内ではまだニーズが少なく選ぶ幅がないのですが、
当店ではなるべくヘッドレスをお勧めします。詳細は過去のブログを参照ください。

アイテムの選定も大体はおまかせいただいたので、
当店ではほぼスタンダードになったラテックス製のマットレスに
ウールパッド合わせた寝具を配置していきます。
筋肉の質感によく似た感触のラテックスは就寝時に横になって骨格を支える筋肉を
使わせないようにして1日の体にかかるストレスから解放してくれる寝具です。



しかも男性女性、体重体格の違う方が寝ても同じ一定の力で押し返す能力を持っているので
旦那様、奥様で寝具を分ける必要もなく、どこで寝ても一定の力で反発してくれる素材です。
スプリングマットレスのように四方に硬さがありませんから画像のようにぴったり配置しても
隙間で寝た際の違和感もなく、選定フレームもマットレスサイズになっていることから
よくある隙間に落ちる感覚もないものになります。

2台以上の寝具を着けて使用する際に問題になる「間に誰が寝るか」や
「お子さんがはまってしまう」問題も解決できる組み合わせです。
*市販の隙間パッドなども必要ありません。


もう説明の必要もなくなって来ているかと思いますが、、ウールベッドパッド。
これがないと当店の寝具は完結しません。ベッドパッドが人間の睡眠を変えると言ってもいいほど。
適切な寝環境(気温・湿度)を維持し、長時間に渡って持続することができます。
一般的なポリエステルわたを使用した敷きパッドやベッドパッドでは蒸れが発生します。
人間が7〜8時間横たわった際に出る水蒸気や汗を吸い続けることができ、
またコントロールする繊維・素材はウール・キャメル・シルクなどの動物性由来の繊維のみになります。
こちらも詳しくは過去のブログで。



仕上げにはオーダーメイドのカバーを使用していきます。
寝具の汚れを防ぐだけでなく、人間の肌に最終的に接触するものになります。
今回はすべての素材を和晒しガーゼにして通気性・保温性だけでなく
肌触りや耐久性を意識したカバーリングですべてを包むことにしました。
薬物での脱色をせず、煮沸だけで処理したものですのでコットンの繊維の傷みがなく
綿本来の柔らかさを感じるものになりますが、一般の寝具店にも置いていないもの。
体感・経験できないものは人間は想像することが困難ですから、まずは店頭にてお試しください。



BOXシーツにはふたえガーゼ。掛け布団カバーにはひとえガーゼを使用し、
当店が特注している軽い羽毛布団生地の相性によく合うカバーを選定しました。
カラーはご依頼主のご希望ですべてアイボリーを選択されています。
私もそうなのですが、この白いカバーが好きで。柄のないシンプルな寝具を選んでいます。
細かなことですが、設置した際に見た目が台無しにならないように。
一つ一つ意味を持って考えていくとこういった寝具にたどり着きました。



今回は部屋いっぱいに設置したことで写真の画角が引けず、
かなりアップしたものばかりですが、お部屋の雰囲気ともマッチした
よい寝具選定ができたのではと自負しております。



時期的には搬入が10月の始めでしたから羽毛布団は出さず、
11月に入ってから出していただくことにしました。
今年は特にですが寒くなるのが早く、秋を感じない、、春も瞬時に通り過ぎてしまい
一気に暑くなりましたからこういった寝具の適応が難しくなってきました。
寝具にも合間期間がありますが、この際の寝具にも動物性繊維を使用した寝具が調温して環境を適応させてくれます。
人間の生活に元々は身近だったウールはその中でも特に手頃な素材ですから
なるべく取り入れていただきたい寝具になります。

ただウールもピンキリで。製造者が加工を間違えてしまうと全く繊維の良さが出ない
素材になってしまうことが多発します。ウール100%。コットン100%。
この表記だけに見えないものがあるのでそこが寝具(素材)の面白いところです。



ここでまたタラタラ話してしまうとキリがありませんから詳しくはお問い合わせください。
天然素材のご質問関しては恐らくそれ以上の深度でお話ししてしまうので、お時間の余裕だけみてくださいね 笑
最近店頭でもお互いに話し過ぎてしまいすっかり夜になるケースが続発しています。
「うそでしょ?」っと思われるかもしれませんが、これは本当です 笑

最近では慣れてきたというのもありますが、いい加減にしておかないと
コミュニケーションビックバンを起こしたアウトプットお化けになりかねません。
10月はおかげさまでフル稼働して、私の限界まで吐ききってしまったので
実は文章が書けなくなってしまい。。脳がカラカラの状態になりました。。



睡眠効率の話も続きを書きたいのですが、一向にPCに向かう気になれず。
続きが気になる方もちらほらあるようだというのは聞いていますので
できれば今月中に第2部をドロップしたいと思います。

最後になりましたが、今回のご依頼主は養護学校の教員をされていらっしゃる方で、
しかもかなり熱を持った料理人でもあります。道具や素材に並々ならぬ情熱を持って
日々実験を繰り返している比丘のような方でした。
私はお医者さんや看護婦さん、先生やお坊さんなどは聖職だと思っていますが、
知り得た中での教職に携わる方の特徴なのですが、こういった素材的な方が多く。
どこへ行ってもおそらく変わることのない強い下地を持った人格と探究心で
世の中に影響していく方なんだと感じました。

最後に昼食を一緒に。っとお申し出いただいていたので
ご主人特製のカレーとお漬物やお手製のベーコンまで。。。
そしてお子様もまた一緒にご飯食べたいと言っていただけているようで。
近くに寄った際にはまたご飯食べに来てくださいとおっしゃっていただくことができました。



まぁこれが家で食べるカレーのクオリティではないことだけお伝えしておきます。
ご飯を炊いたり、調理で使う器具や土鍋なども数種見せていただきましたが、
奥様とのバランスや、カレーを待つ間にお子様が見ていたのはプロレス。
友人が私に紹介したいと言っているだけのことはすべてここで分かりました。
搬入後も定期的に睡眠データをご提供いただいていて。



最初は腰痛という分かりやすい症状のご相談だったのですが、
それ以上に劇的に変わったとおっしゃる睡眠効率で、
もはやどこかに飛んで行ってしまうのでは?という心配もありますが 笑
翌日は早朝からまた料理に取り組んでいらっしゃいました。

私もデータにできないので悔しいのですが、
深い睡眠を取ることで変わるのは体のことだけではなく、脳内。
脳の活性領域が広がった感覚を手にすることができるかもしれません。

かつて怪我で寝具を買い替え、これに感動し、ついには寝具を買った企業に転職して
素人から寝具屋を開くことになった私も、この感覚が共有したい為に現在の活動を行っています。
絶対という訳ではないので過度に期待値を上げることはしませんが、
すべては可能性。この活動もその先に広がるお客様もすべて可能性に賭けるもの。
年を重ねて肉体的なものはいずれ朽ちていきますが、脳内の感覚だけは新しい状態にしておきたいものです。



ご遠方からのご依頼にも関わらず、当店へのご依頼ありがとうございました。
またカレー食べにいきます。


設置内容

Billerbeck ラテックスマットレス SD      ¥115,500 × 2台
Billerbeck ロイマリンドウールベッドパッド SD ¥46,200  × 2枚
RUSK ヘッドレスベッドフレーム SD      ¥52,800  × 2台
軽量国産Batist100羽毛布団PWGD93%1.1kg SL ¥92,400  × 2枚
オーダーメイド枕(コロン・ミドルベース)    ¥24,200  × 2個   
和晒し二重ガーゼBOXシーツSD 全周ゴム使用  ¥10,120  × 2枚
パイル+二重ガーゼ枕カバー オーダーサイズ  ¥3,300   ×  2枚
マットレス+フレーム引き取り         ¥4,400   × 2台分


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