2022/12/03 17:41
このブログの中で生や死に関わることを書いたり、
ジョルジュバタイユやそれに影響を受けた三島由紀夫や岡本太郎などの
強い信念を持った人たちの言葉を聞いているからかも知らないですが。
死生観が変わっていると言われることがあります。
日頃、朽ち果てる時は穏やかに健やかに逝きたいと思っていますし
小生が後世に残すものなど無くて良いと思っているので、
静かな山の降り方や、舞台からの去り方をこの歳からずっと考えているのです。
自ら可能性を諦めたり、卑下することでもないです。
あと、よく勘違いされるのは私は望んで死にたいわけではなく
本当の意味で、「死」を考えることは生に執着している。
ということでもあるのだと理解しています。
かといって目の前のなんとなくの目標や目的は持っていたいのですが、
未だ絶対に成し遂げたいことや、人生の目標はありません。
ただ先人から託された役割を受け入れて、またその役割を次に継いだ時、
私にいただけた物をまた全て手作業で放流することが人生なのだと。
手放すという事がとても大事な事なんだなと感じる事があります。
そしてその瞬間は色んなところで顔を出します。
最近よくお邪魔するバーでお酒を飲む訳でもなく、
他愛もない事を気の知れた人と一緒に過ごす時間がとても良くて。
何度か行ったお店に先日は初めて一人で行ったのです。
マスターとお酒の話になり、お酒の飲めない私がこのお店で少しでも
お酒を飲めるようになる事が夢なんです。と話すと。
こんなものから始めたら良いと、薦めのボトルを2つ3つご紹介いただく。
そうやって話しているうちにマスターがゴソゴソとやって奥に行き
昨日は私には勿体無いほどのボトルを私に渡してくれた。
*カルヴァドスというりんごを主原料にするフランスのブランデーだそうです。
そんなに高いお酒じゃないが。との枕がありましたが70年代の貴重なボトル。
「あとほんの少しだけだから、これをちびちびやるといい」と言い、私にそのボトルを託してくれた。
私もこれがなんであるのかはまだ分かりませんが、勧めてくれたお酒。
何かしらの意味があるのだと思います。
こうやって受け取る瞬間に私も何か別のものもを託されたと感じるのです。
他人に何かを託す時、私もある思いを手放していきます。
*先日のブログの内容にも繋がっていくかもしれませんが。。。
その日マスターともそんな話をしてから帰路につきました。
数ヶ月前に行きつけのバーができるとは夢にも思いませんでしたし、
まさか一人で通うまでに成長するなんて自身では想像もつきません。
誰かに引き継ぐ。引き渡していく。ということは
そこに過度な期待や見返りは求めず、ただ少しづつ手放すことを覚えていけば
文化や伝統を正しく引き継ぐことができるのかなと思った夜になりました。
未だ何が正解で不正解かなんて分かりませんが、
この人達と過ごしたいと思う方との時間をもっと大切に今後も生きていこうと思っています。
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