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2023/10/15 15:45

初めからこんなことを言うのは書きながらに矛盾していますが、
世の流れからは反する、タブーに触れる内容になると思います。
ただいつものように私は思うことを書いています。

このテーマについて、いろんなご意見はあって然りと思いますし、
このブログを読んで思われることもそれぞれにあって当然と思って書かせていただきますので
あまり読みたくない方はどの時点でもドロップしていただければ良いと思います。

SDGs…
そもそもこの言葉が作られたのはどこでしょうか?
2015年9月国連サミットで採択された2016年から2030年までの15年で達成すべき
17のゴールと169のターゲットで構成されています。
詳しくお知りになりたい方はいろんなところに素材は落ちていますので
ぜひお調べ頂ければと思います。

範囲が広すぎてよく分からんっというのが実際のところだと思いますが、
今までの環境破壊や資源枯渇に向いた動きだけでなく、ジェンダーレスや貧富差。
その他の格差問題にまで倫理観を持った国際基準を国連で共有した訳です。
当然国連の一員である日本も国が推し進めるべき目標の一つとして、
市町村単位の自治体に対しても様々なプロジェクトを立ち上げています。
この内容の認知と達成すべきアジェンダとして私の住む豊田市でも
「とよたSDGsパートナー」という活動が行われており、当店もこれに賛同しています。

*先日市政放送にて当店の活動を取り上げていただきました。
 豊田市HPのアーカイブで閲覧可能です。

詳細としては、一つ目にグリーンダウンプロジェクトという羽毛素材の回収や再利用。
リフォーム・打ち直しの積極的な取り組みを行うことで自然素材の保護と
家庭内に眠る埋蔵資材をリサイクル素材として利用するための活動行っております。




当店の参加する資源循環プログラムはこちらです。
主に羽毛布団の回収を行い、積極的に製品に使っていこうということで
2年ほど前から新品の羽毛布団にもこちらのリサイクルダウンを採用しています。

当店ではこのリサイクルダウンを三重県多気郡にある河田フェザーより調達しています。
画像のような超大型の羽毛選別機を有しており、羽毛洗浄技術についても国内ではトップレベルの工場です。
(現状リサイクルダウンの洗浄度は産地指定のない新品羽毛よりデータ上いいものが出ているほどです)

また2つ目には、当店は在庫を抱えないオーダートゥメイドの生産体制を取っています。
そのカテゴリーとしては、羽毛布団とカバーに関しては完全個別生産のシステムを構築し
立ち上げ当初から国内の地方工場と協力することで1点からの生産を可能にしています。



本来は要らない原料やコストを使わなくて済みますし、
私もお客様に必要のないものを売らなくて済むわけです。
しかし店舗には私一人しかおらず、在庫もなく欲しい時にすぐ買えないというデメリットはありますが、
元来、需要と供給に無限のスピード感を求め始めたのはサービス至上主義の最たるものと思います。
顧客の欲しい時に欲しいモノを。他がやらないことをやる。これが商売の原則ではあるのですが、
何度も言う様に私はこの一連の流れから離れるために店舗を設けました。

ものの原則として大量に在庫を作ると売らなくてはいけませんし、
当然ながら売れ残った場合にはセールを行わなければならなくなります。
多く得るためには多くのコストとカロリーを消費するということです。
しかし現状は余剰生産をしなくては企業が成り立たないという背景もあると思います。

例えて言うと、大型ショッピングモールに出店するような企業の販売計画と生産コントロールは
なんとなく知っている方も増えていると思うのではっきりと言いますが、
十数年前辺りから値引きした価格で正規の利益が出るようなコントロールを行っています。
私も以前にはそのマーケティングや生産に関わって身ですので、敢えて言います。

ただ、コロナ後の原価高と人件費の上昇を受けると、今後の市場では
大きな値引きを売りにした価格での訴求は打ちにくくなると思います。

なんにせよ大量生産する理由は、売上が伸びて在庫が足らなくなった際に備えての生産か、
大きく利益を出す目的でにシステムを利用して本来の需要以上の生産することのどちらかと思います。
たくさんの雇用が守られているからということであれば致し方ないのですが、
私は人口減下であっても青天井に膨らんでいく企業の売上予算に対して疑問を持っています。

利益重視の行き過ぎた運営で企業ガバナンス問題のニュースが世間を賑わしていますが、
恐らくあんな会社が世には多く存在しますし、「うちもそうなんだよなー」っと思っている方も
いらっしゃるのではと想像しています。

私も消費者と言う立場で言いますが。70年代以降からテレビメディアが発達し、
広告宣伝というもので目隠しされて消費者がモノの本質を見抜きにくくなっている
というのも背景にはあるのではと推察します。
人が持つ選美眼というのか、その能力を他者(AI然り)に依存できる世の中では
本当にいいモノを見抜く能力を人が捨ててしまったということと、
大量な粗悪なモノに隠れて本当にいいモノは当然見つけにくくなっています。

現状で考えても90〜00年代の大量生産、大量消費型の消費はすでに合わなくなってきていると考えています。
国内だけで考えると人口が減少するなかで、国内需要のマーケットは徐々に閉じていくと予想します。
今後100年で、人口は5000万人、高齢化率は40%と予想されています。
*反対に国産品の輸出関しては今後需要があると思っています。



同じような人口でいうと、3500〜5000万人程度だった明治時代のように
内需には期待ができませんから、観光や輸出産業を含む外貨獲得の国策を打ち出すか、
欧米の様に移民を入れて多国籍国家となり今の市場規模を維持するかですが、
今の日本を見てもまだ国策としての身の振り方が確定していないように思います。

暖房と冷房を同時に使うような運営では、どこの国に対してか「どれもやっていますよ」という
責任のないポージングだけの国策という風に見えています。
SDGsも本来の意味を理解して普及している政治家がどれくらいいるのか怪しいと感じています。




ちょうど先日、在留外国人の人数が300万人を超えたとニュースになっています。
留学生制度から永住資格が取りやすくなったことに加えて、2070年には1000万人を超えて
予想人口全体の約12%を締めるまでの推移になることから、日本人だけではもう既に
この市場と生産規模を担保していくことが厳しくなっていくのだと思っています。
あと10年ほどで優秀な新卒の在留外国人というのもそのうちに増えてくると思います。

最初に言っておきますが、私は海外から来られる方に関してはなんの疎外感も持っていませんし、
外に出ないばかりか、海外でコミュニティーを作れない日本人の性質と比べると
彼らの方が純粋なサバイバル能力とセルフプロデュース能力を備えていると思っています。
世界から見ても円安のために賃金というアドバンテージは無くなっていますが、
こんなに物価が安く、インフラも整い、安全で綺麗な先進国は世界中探してもないと思います。
ただ税金は高すぎです。笑


自身はどちらも構いませんが、現在国際社会に放置を食らっている現状、
世界に対しての日本の役割を早く示すべきと思っています。
個人的には人口7000万人のフランスの様に。産業としてのメイドインフランスを諦め
歴史を含む観光資源豊かな土壌は同じなので、環境を活かした外貨獲得方法に特化した
制度に切り替えていくのが手取り早いのではと思います。
現状ではまだまだ製造業や建築業のパワーが強いですから、なかなかそうならないとは思いますが。



話は更にそれますが(笑)先ほどご説明した中で日本がまだ貧しかった明治時代。
国策として外貨獲得の方法として取り入れられたのは「養蚕」です。
紡績と製反で出来上がった製品を輸出することで蚕は莫大な利益をもたらしました。

明治5年(1872年)建設された富岡製糸場は、当時国際的に見ても最新の工場で、
イギリス、フランスなどの最新機械を輸入して創業しました。
これが日本の製造業の礎としてマニュファクチュアや機械制大工業へと続いていきます。



文献を読む限りでは後の大戦に続く、日清〜日露戦争の資金を作り出した様です。
日露戦争で無理をして国が金欠になってからはヨーロッパが一次大戦中だったので
高い技術力をつけた日本が逆に連合国に兵器を売って二次大戦の資金を作り出したようですね。
その後その連合国に負けて多くの犠牲を払うわけですから、大国への憧れはやがて
最後には皆様ご存知の通り、国民を怒りの炎の中に飛び込ませることとなります。
しかし、日本人の長所はその諦めない心と団結力。やり抜く忍耐力に本質があるのかもしれませんね。





私は絹を主産業とした時代の様に高品質・少量生産の工場制手工業に多少たち戻るのではと思っています。
アーツアンドクラフツのような。といえば程はいいですが、すでに工場や素材を抑えるのが難しく
高品質なものは既にオーダーメイドのような受注生産スタイルでしか作れなくなっていますし
価格差に関しても天地のような開きが出るようになる。
いいモノも悪いモノも全てが情報として平等に手に入る時代では、
そのどちらでもないモノ・サービス・人材など。
その全ての因子が淘汰されていく時代になると感じています。

最初のタイトルに戻りますが、近年よく聞くようになったエシカル、サステナブルと言う言葉。
横文字を使えばおしゃれに感じますし、一般的にはこれをファッションと捉えている様にも思います。
私の云うファッションという言葉は「自意識を通して他者に訴える行為」であり、
決して「他者意識を持って自身を見る行為」ではないということです。




実際に、再生素材を使っている。フェイクファーを使っている。
何かそれをフックとして、またマーケティングを通して
その先の利益を上げていこうという企業の体質が見える瞬間もありますから
この手の活動に参画することに全てを受け入れる訳ではありません。

例えば、自分の持つ山に生える木をすべてなぎ倒してしまえば
末代に残るまでの財を築けるかもしれません。
海に住む魚を全て取ってしまえば、他者の領土と人を奪い取ってしまえば、、
歴史は同じ様に繰り返しますし、そもそも「人間の欲には天井がない」ということだけ
知っていること自体が大切と思っています。
来年のことを思えば少し自然の中に残しておこうとか、小さいものは返しておこうとか、
自分の持てるものだけを持つという倫理観は個人の思想からのみ生まれます。

SDGsという目に見えるお約束も大事かもしれませんが、そもそも倫理観を持って
社会に対して何かを投じ続けている人は自らそんなスローガンを発していません。
ひと時代前では、ロハスとかスローライフとか丁寧な暮らしというスローガンが
流行りとなって、その価値観もファッションとして消費されてきました。
全てはお金や見栄という価値を他者と比べたがる人間の非情たる欲によって汚されていくのです。

あれこれうるさいですが、また私は世襲という私財の残し方ではなく、
思想や文化を含めた財を地域やコミュニティーに引き継いでいく方法が
できるのではないかと思い、豊田市の足助地区に店舗を移すことになりました。

これは豊田市民芸館をはじめとする豊田市に多くを寄贈した本多氏や、
以前訪れた高崎で一切の私財を投げ打って群馬音楽センターを作るきっかけを起こした
中西氏のことを知った影響も強いと思っています。
足助という環境であればそれができるかもしれないという可能性を見ています。



序盤大きな話ばかりしてしまいましたが、私は今、
商店街の買い物くらいの水準で十分満たされる生活に戻りたいと感じています。

そしてそこにはモノやヒトは多くないものの、各分野のスペシャリストや
思想や意思を持って商いを行うお節介ものが集まってくるのではと思うのです。

一遍して資本主義に反対しているように聞こえると思いますが、
そうではなくて。その本質を知り、想像した先に何を求めるかであって
全ての現状を否定して拒絶して生きるわけではありません。
今この世代に生まれ平安な時代を生きているからこそ、次の世代のことを考えなくてはいけないと思います。
この国に生まれ、住み、子を育て、朽ち果てていく先に自分の作りたい未来を作る責任を全うしたいのだと思います。

「言うのは易く、行うは難し」

SDGsに始まる倫理観を広めることはいいのですが、
企業にとってみては売上を減らせと言われているようなもの。
私もどこまでを体現できるのか分かりませんが、
とにかく動いていればどこかで誰かが助けてくれます。

しかし、昔の人の言うことは至極まっとうだなと思いますね。





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