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2022/03/30 17:06

今年の花粉が辛いのは私だけでしょうか、、

昨年は家の中にいることが多かったせいか、
特に今年は鼻水、くしゃみ、肌のかゆみ、喘息など。
少し外に出るだけでも症状がでて現在も頭痛がひどく、、
例年より酷い気がしますね。



アレルギーあるあるなのかもしれませんが、こんな話をするとあの薬がいいとか、
一発注射打てば治るとかいろんな情報をいただけるのですが、
今年は薬に頼らず、どのくらいまで抗えるのか実験してみようと思っています。

そして2年ほど前にアレルギーの話をブログ書いたのですが、
今回はこの時期ですので主にはクリーニングとリフォームについてお話ししようと思います。


家の中に潜むアレルゲンは「寝室」に原因があるかもしれません。
という話を以前にもしたので軽くおさらいになりますが、
家の中でアレルギー症状として現れる原因の多くは「ダニ」です。
すべてのアレルギーの内、約80%がダニによるアレルギーという数値もあります。



これについては以前のブログを読んでください。
過酷な環境でも生き残ることのできるダニを私は「宇宙生物」だと思っています。
昆虫と思われる方も多いかもしれませんが、サソリやクモの仲間です。
人のいる環境では完全に取り除くことは不可能に近いと思っているので、
仲良く共存しながら彼らの嫌がる環境を作ることが重要だと思っています。


ダニの好む環境
①暗い
②高温多湿
③エサが豊富

この環境を作らなければいいだけのことです。
アレルギー対応寝具も多くありますが、この殆どが
1)薬剤加工 2)樹脂加工 が施された寝具です。
当店には上記の加工が施された寝具はありません。
なぜならダニの除去を第一目標に掲げている為に
「人が寝る」ということを二の次にして作成されているからです。

1)薬剤は分かりやすいですが、ダニを直接退治する、または動きを抑制する薬剤です。
海外(特にヨーロッパ)には薬剤塗布された寝具は売られていません。
なぜかは容易に想像ができます。ダニも同じ生物ですからね。
薬剤に対してのアレルギーというのも少なからずあるようです。

日本は残留薬物の規制が海外に比べて甘く、OEKO- TEX(エコテックス)などは
欧州基準の製品基準ですが、日本では一般的に認識されている規格ではありません。
この規格を通す為にも素材や機械、それを扱う人の教育までにコストをかけて
行うものになるので各社二の足を踏んでしまう理由は良く分かります。
当店でも扱うパシーマはOEKO-TEX規格ですが、
近年価格が高くなったものの私はこれでも安いと思っています。



2)に関しては生地の裏に樹脂層を設けて物理的にダニを通さなくする加工です。
しかし、人は汗や水蒸気を発しているので樹脂加工すると通気せず
蒸れを引き起こしてしまい熟睡を阻害する寝具になってしまいます。
寝冷えや布団を蹴ってしまうなどの症状もこの蒸れを引き起こしている可能性が高いです。
また、生地としてはダニが侵入できないものでも縫製をかける際に
布に針で穴を開けてしまうので、実質的にはダニが侵入できてしまうものが殆どです。



では、どうすれば良いのか。
買い替えをせずに簡単にできるものとすればまず「クリーニング」でしょう。
ダニのこの無条件で言えば③のエサを取り去ることができます。
彼らのエサとなるのは人間の汗や皮脂、アカやフケ。毛根などもエサとなります。
またお一人暮らしをされていらっしゃる方ではソファーベッドなどの寝具の上で
食事をされていらしゃる方ではその食べかすがダニのエサとなる場合があります。



ほとんどのマットレスはクリーニングはできませんが、
綿布団などの掛け・敷き布団は可能です。
現代のクリーニングで多いのは羽毛布団です。

ここである問題が出てきます。店頭でもよく質問がありますが
「コインランドリーで羽毛布団は洗えますか?」というもの。
簡単に言うと捨ててもいいものだけにしておいてください。



最近では布団専門のコインランドリー業態も登場しており、
一概には言えませんが、衣服用の洗濯機と布団用の洗濯機は異なります。
中身が動いてしまう布団では簀巻き状態で布団を固定して洗うのが一般的です。
自由に動いてしまうと素材にもよりますが羽毛などは摩擦によって劣化してしまいます。

 

乾燥機も然りです。布団専門のランドリー業態でも乾燥機は衣料用になってしまいます。
当店のクリーニング工場では平面乾燥機を使用して人の手で1枚1枚乾燥させていきます。

もう一つ。
衣服を扱うような一般のクリーニング業者と何が違うのか?

「何で洗うのか」これが違います。

一般的なクリーニング業者は溶剤で洗います。
最近では素材について造詣の深い会社もあるのでごく一般的な話をすると、
石油系の溶剤を使用して型崩れや生地のシワなどが出来にくいように洗います。
ドライクリーニングと呼ばれているものですね。

工場にもよるのでこれも一概に言えませんが、
専門店からすると布団はドライクリーニングで洗わないのが一般的です。

なぜか??

布団は綿や羊毛、羽毛などの充填物が存在します。
プラスして毎日洗ってケアできるものではないので
充填物は汗や皮脂でかなり汚れたものが多いのが実情です。
ドライクリーニングだけではこれは取れません。。



羽毛布団で言うと10年以上クリーニングされていないものは
羽毛の匂いではない特有の有機物の匂いがします。
生地にも黄ばみが目立ち、ヨゴレが酷くなれば酸化して茶色く濁ってきます。
画像は店頭でお預かりした製品ですが、生地に穴が空いています。
*ここまでいくとクリーニングができませんのでその際はリフォームをご提案しました。

時々店頭では、「旦那の匂いがひどくて・・・」っとお持ち込みいただくこともありますが
男性の方が汗・皮脂が多いので比較的早期に汚れや匂いが上がります。
これは加齢臭などではなく、人間の出す有機物が酸化した際に発する匂いです。
ですので比較的みなさん一緒の匂いがします。

汚れも匂いも私は慣れていますので平気ですが、
恥ずかしそうにお持ちいただく方が多い印象です。
店頭では「みんなそんなものなので」っとお伝えしています。

話は元に戻って、、笑
それでは布団は何で洗うのか?

水洗いです。

油性の汚れ(ファンデーション・口紅・ペン跡)など取れやすいのがドライ。
水性の汚れ(汗、おねしょ、食品汚れ)などが取れやすいのが水洗い。

クリーニングに持ち込むものを考えてください。
ニットやスーツ、ワイシャツなど。
型崩れや縮みがご家庭では選択が難しいものがほとんど。
ドライクリーニングの第一目標は生地に変化が出ないようにするということです。

しかし、布団の場合、ダニの繁殖の原因となってしまう
有機性の汚れを取りたいので水洗いで洗うというのがセオリーです。

もう一つさっき言ってた「皮脂は?」と言う問題ですが、
これは油性の汚れなので当店のクリーニングの場合、
お預かりから簀巻き状態にして一晩酵素に漬け込みます。
強固な皮脂汚れは水洗いだけでは取れませんので
生地や充填物を痛めないように酵素で柔らかくしてから洗います。

元々中に入っているダニの死骸やフンなども取り除きますので
アレルゲンの除去率も95.5%という高い数値が出ています。
ドライクリーニングではこれが出来ません。

その際に使う洗剤もドライクリーニングとは異なります。
ドライは溶剤の中に洗剤の他に漂白剤を含みます。
布団水洗い専門の工場では漂白剤を使わないのが一般的です。
特に羽毛布団は軽さがウリです。生地も薄いものが多く、
皮脂汚れで傷んだ所に漂白剤をかけてしまうと生地が傷んでしまうのと
綿やウールや羽毛などの充填物にとっては塩素系漂白剤は素材を傷めてしまいます。
ですのでカビや皮脂汚れの色素沈着に関しては取れにくいと言うのがデメリットです。
*ネット業者も増えていますが、洗い方を必ず確認してください。

では今までの条件を揃えてみましょう。

ドライクリーニング(衣料向き)

○メリット  生地の変化が少ない、油性の汚れが取れる、漂白でシミなども取れる
×デメリット 汗汚れは取りにくい、汚れの少ない衣服向き、アレルゲンの除去はできない

水洗いクリーニング(寝具向き)

○メリット  汗汚れが取れる、アレルゲンの除去可能、汚れの多い寝具向き
×デメリット 油性の汚れは取れにくい、生地に変化が出やすい、カビなどのシミ汚れは取れにくい


ダニの繁殖のある寝具は水洗いでダニとエサになる有機性汚れを
今の時期に取り去っておく必要があります。

特に羽毛布団はこれから暗所保管しますから春〜夏の時期、
暗所で高温多湿、餌がある環境。押入れの中でダニは増えると言ってもいいと思います。
これをまた使うときにはしっかりダニの増えた環境で睡眠をとることになってしまいます。

ダニの繁殖スピードは脅威です。
彼らの寿命は2〜3ヶ月です。その間に100個ほどの卵を産みます。
一匹が1日で約一匹づつ増えていく計算になります。
増えたダニがその先でさらに増え、鼠算式に増えていくということ。
私が宇宙生物と捉えている理由です。
また怖いのはその繁殖スピードだけでなく、彼らが排出する副産物「フン」です。
一匹が1日で排出するフンは約3個。
これを計算式に当てはめるとどういうことになるか 笑
アレルギー疾患者にとっては脅威そのものです。

良く間違われるのですが、生きたダニは正確にいうとアレルギーの原因にはなりません。
ダニは刺すというイメージがありますが、住環境の中にいるのはヒョウヒダニ、コナダニなので人間を刺すことはありません。
しかも表面にいるものは一部で、大半は掃除機でも吸えないような内部に本隊がいます。
本当に怖いのは彼らが一生を終えて死んだ後。これが乾燥すると死骸やフンがバラバラになって
生地を通るくらいのサイズになって軽いので空中に浮遊し始めます。
これがアレルゲンとなって肌、咽頭、気管を刺激してアレルギー反応が出ます。



人を刺すのはツメダニやイエダニ。またはノミです。
ヒョウヒダニなど増えすぎるとダニも食べるツメダニなど増えるのですが、
ペットなどの動物を野放しで飼っていらっしゃる方もあまりいらっしゃらないと想像しますので
現代の住環境ではよっぽど刺されてしまうということはないと思います。
また山などに生息するマダニは肉眼で見えるほどのダニです。
家の中には生息しませんのでこれも刺されてしまうということはほとんどないと思います。



よくいただくご質問の一つは「どのくらいの頻度でクリーニングすればいい??」
ということを聞かれます。

素材と個人差もあるので確定的なことは申し上げられませんが
できれば4〜5年に1度はクリーニングをお願いします。
特に高価な商品では長期でお使いになることを考えてもその程度は
メンテナンスをしていただけると良いかと思います。



ただ、お持ち込みいただくほとんどの羽毛布団は10年以上洗っていないものばかりです。
そう、私も含め人間は追い込まれないと動かないもの 笑

破れやほつれ、またカビや皮脂による汚れが視覚的な変化。
最初に申し上げた汗や皮脂が酸化してニオイとして発生する嗅覚的な変化。
このような事例が起こらないとご相談がないのが現状です。
しかしこうなったときにはクリーニングの枠を超えていて
お布団の打ち直し、つまりリフォームという話になってしまいます。
リフォームの場合商品にもよりますが、
おおよそ10年〜20年連続使用でリフォームになることが多いです。



リフォームになると記事を裂いて作業を行うこととなり、
新しい側生地もご用意することになりますのでご予算も大きく取られてしまいます。
その前に一度水洗いクリーニングをお勧めいたします。

費用ですが、

羽毛布団
1枚 5500円(税込)

その他の綿布団・合繊布団など(シルク以外の獣毛素材もOK)
*その他の素材はご相談ください。
3枚 16500円(税込)

最近では工場まで運ぶ運賃が上がったことにより、寝具は大きさがネックで、、
なかなかしんどい状況が続いてクリーニングを廃められる店舗もあります。
羽毛布団は小さく畳めば運賃も抑えられますが、
綿布団の場合、1枚運んでも運賃だけで往復5000円以上になります。
作業代を含めると赤字になってしまいますので3枚縛りとなってしまいます・・
申し訳ありません。

遠方からのご依頼であれば専用の布団袋をご自宅にご郵送しますので、
こちらに入れていただき工場に直送していただくシステムを導入しています。

その他でやれることはたくさんありますし、寝具の素材は多岐に及びます。
ご相談がありましたらラインアカウントを作成しましたので
こちらから詳細なご相談もいただけます。
*期間限定のクーポンも発行していますのでどうぞ。

https://lin.ee/y3lYdrB


またリフォームの場合はもっと話が複雑なので、、
次回の〜羽毛布団リフォーム編〜で。


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